扁桃腺を手術して取ってきた 費やした時間や費用と思い出の記録
扁桃腺を腫らして発熱するタイプの風邪をひく人はかなりの数がいる。喉から風邪をひくというやつだ。
そういうオレもそのタイプの一人で、季節の変わり目に仕事が立て込んだり、飲み会が多かったりすると扁桃腺を腫らして風邪を引いてしまう。
そんなオレが去年の12月に扁桃腺、正確には口蓋扁桃を切除するため入院をした記録を忘れないうちに残しておくことにした。
人生初入院だったので色々興味深かった。
【追記】手術して半年経過したので、その後の結果を後半に記載している。
扁桃腺を腫らして風邪をひくパターン
寒暖差の激しい季節の変わり目に扁桃腺を腫らして風邪を引きやすく毎年4回前後必ず風邪を引いてしまう。
普段は手洗いうがいや、体調に気をつけているのにちょっと仕事が忙しかったりちょっとした油断をすると喉に違和感が出る。
喉に違和感が出たらもう手遅れで、いまさらのど飴を舐めても、うがいをしてももうダメだ。
次の日から熱が出る38度に届かないくらい熱が出て、1〜2日仕事を休むハメになる。
子供の頃はもっと高熱が出たりしていた。大人になって高熱が出るということはなくなっていた。そう去年の7月までは。
手術の動機
扁桃腺を腫らすたびに手術しようかな、どうしようかなとWebで調べていた。先に書いたように大人になってからはそんなに重篤な症状にならなかったので、いまじゃなくていいかと先延ばしにしてしまっていた。
そんな2017年の7月、10年以上ぶりにガッツリ扁桃腺を腫らして、3日間連続で抗生物質入りの点滴を打たねばなら無いほど体調を崩してしまった。
毎度毎度扁桃腺を腫らすたびに手術しようと心に誓うが、症状が改善して数週間も過ぎるとすっかりその誓いを忘れてしまう。
この病院に通っているうちに手術の話を勧めてしまわないと、また先延ばししてしまうだろう予測できた。
なので、病院の先生に症状が回復する前に医師へ口蓋扁桃を切除する手術をしたい旨を伝えた。
それに現在会社員ではなく、フリーランスのソフトウェアエンジニアなので有給休暇など無く。休むと露骨に収入が減る。3、4日休むとガツンと減る。
休むときは遊ぶときや旅行するときなど、自分が休むと決めたときだけ休みたい。体調不良という理由で休みなんて出来るだけしたくないのだ
手術の予約から実施まで
扁桃腺を除去する手術は1時間ぐらいので簡単なものなのだが、手術は全身麻酔で行い入院日数はオレが入院した病院は9日間必要だった。
7月病院に行き、12月に入院日すると決めた。 入院する日は病院との調整が必要で、この日とこちら側からダイレクトに指定することはできない。 もっと早くできたけれども仕事の調整がし易いように期間をあけるようにした。
11月入って入院前に喉の様子や、麻酔の検査、肺活量の検査などをした。
12月1日に高額療養費制度の手続きを役所で行った。結局入院費諸々この上限を超えなかったので結果的に意味はなかった。
術前から退院までの生活
入院中は食事をインスタグラムにアップして記録してきたので、食事の写真とともに振り返る
初日普通のご飯
この日は余裕。昼ごはんは普通の病院食で、夜は経口補水液OS-1のみ。
2日目
朝は経口補水液のみ。術後は点滴のみ。
入院2日目この日は点滴のみ 点滴も盛れるフィルタアプリはFoodie #入院スタグラム
手術は昼頃開始、テレビで見た通りに台車の付いた担架のようなストレッチャーで運ばれて、これまたテレビドラマで見たような手術室に入った。
全身麻酔については、麻酔を打たれて効き具合を確認する会話をしていたなと思ったら、手術が終了していた。
術後に、執刀した医者に切除した扁桃腺を見せられて破棄するか聞かれたような気がするが、麻酔で朦朧としていたので夢現の出来事のようだった。
気がついたら病室に居て酸素マスクをつけられたり処置がされていた。まだぼんやりしていてた。
術後すぐは酸素マスク、点滴がつけられていた。それに両ふくらはぎに空気圧で定期的に圧迫する謎の装置がつけられていた。 各装備は少しずつ外されていくことになる。
酸素マスクは術後1時間ほどで外された。
ふくらはぎにつけられた謎の装置はエコノミー症候群を防ぐための装置と説明された気がする。それにしてもものすごく邪魔くさかった。 夜中になってやっと外された。
術後すぐの点滴はとりはずされ、日中のうちに点滴を打ちやすいように点滴用の針を腕に固定されチューブが取外し可能なアダプタのようなものが取り付けられた。
尿瓶が渡されて、これにおしっこをしなさいとナースに言われていた。
夜中になり何度もナースに「おしっこは出ましたか」と聞かれるが、全然出でない。 何度目かの「おしっこは出ましたか」の後に尿瓶で出なかったらカテーテルを挿入されると言われる。尿瓶でおしっこをしないと、自分でトイレに行ってはいけないのだ。
ぜんぜんおしっこが出る気配はないが、カテーテル挿入されるのは勘弁願いたい。 尿瓶のやり方もよくわかんなかったので、ベッドの上で正座した状態から尿瓶に挿入しておしっこを無理やりした。一度出てしまえばジャンジャン出た。
後にググったらオレが下やり方でも正しいらしい。寝ている状態でする方法もあるようだが体が動くなら上述のほうがやりやすかろう。
手術当日は朝方まで全然寝られなかった。熱が出て唾を飲み込むのがものすごく辛い。
ちょうど扁桃腺が腫れて熱を出して一番辛い時に似ている。逆にいえばそれ以上辛くはないので、扁桃腺を腫らすタイプの人には想像できる辛さだろう。
風邪を引いていない状態から一転して喉が腫れて熱が出た状態になり、おまけにベッドから出られなく不自由で、手術したことを後悔したが後の祭りである。 もう後は順調に回復するのを待つしか無いのだ。
3日目4日目
3日から食事が支給される、五分粥という普通のお粥よりゆるいおかゆが出てきた。
おかゆ以外のおかずは普通の食事と一緒で特別柔らかいとわけでもないため、3日目はおかゆ以外のおかず殆ど食べられなかった。 おかゆぐらいしか食うものがないので「ごはんですよ」を買ってきてもらって耐えしのいでいた。
このとき熱は37〜38度台、まだ喉がかなり腫れていてつばを飲み込むのも辛い状態だった。
術後から3日目までは活字も全然頭に入ってこないので、Kindleのセールでゴールデンカムイをセットで買って読んでいた。 オレが北海道出身なのもあるし、去年函館にある北方民族資料館をみたりアイヌのことを知っていたのもありかなり面白かった。
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4日目にはようやく活字が頭に入ってきた。雑誌Wiredの最後の号を読んでいた。
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よく入院している人が点滴をぶら下がっているキャスター付きの支柱を引き回してトイレに行っていてた。
4日目あたりはだいぶ調子が良くなったと思っていた。けれどもトイレで自分の姿を鏡で見るとまだ顔色が悪くて唇が紫色だった。
5日目6日目
食事のお粥が普通のお粥(全粥)になった。
腕に固定されていた点滴が外れて、錠剤の薬を飲む様になる。これでだいぶ自由度が上がった。
まだ微熱が有って、活字は読めるが、ちょっとしたプログラム以外はほとんど書けなかった。
このときmacの電源を抜くと盗難防止用のプログラムが発動する様にしてみたりした。
7日目8日目
食事が白米になった。まだお粥じゃないと飲み込むとき辛かった。おかゆ生活が長かったのでご飯がすごく硬く感じた。
7日目にしてやっとシャワーが使えるように許可が降りた。
ほぼ平熱か37度程度に落ち着いてきて、顔色もだいぶ良くなった。 少しプログラムが書けるようになった。
オレより後に入院してきた同室のおっさんが慣れてきたのがカジュアルにでかい屁をするようになってきた。
7日目辺りでもう退院してもいいんじゃねぇのと思っていた。おっさんの屁もデカイことだし。
9日目
退院。朝ごはんだけ食べて退院の手続き。
退院後の生活について指示を受けた。次の診察までは唐揚げ、揚げ物など固くて喉の傷を痛めるもの禁止。また水分が必要で喉に張り付く食パンなども禁止。 辛いものと酒も禁止。
基本的にベッドにずっと寝ているので、持病の腰痛が悪化してしまった。 病院のベッドの上で整体を予約して退院後すぐに整体に行った。現在も整骨院に通いつめている。
退院から数日
退院直前になると元気いっぱいだと思っていたが外を歩くとまだ調子が悪く、退院後2日ほど仕事を休んだ。
なので合計11日間休んで9営業日仕事を休んでいることになる。なかなかの痛手だ。有給休暇のある正社員様を羨ましく思った。
退院から10日後
退院後の検査を受けた。
検査の結果は良好で、禁止されていた食べ物と酒が解禁された。
解禁されたのですぐにアホほど辛いでおなじみの蒙古タンメン中本で北極ラーメンを食べてきた。 頭の悪い食べ物だなぁと思いがらも食べてしまう不思議なラーメン。
1日のタイムスケジュール
- 朝6時起床の放送
- 7時頃検温
- 8時頃朝食
- 午前中 体を拭く温かいタオルの支給、またはシャワーの許可が降りたらシャワー
- 午前中の検診
- 12時頃昼食
- 13時頃検温
- 18時頃夕食
- 19時頃検温
- 21時就寝
基本的に自室のベッドに居なければならないので暇。かと言って元気いっぱいというワケでもないのでなかなか辛い。
眠れないときは睡眠導入剤をもらっていた。これはもらえることがわかってからほぼ毎日受け取っていた。
6人部屋の病室でずっとベッドに居る場合は全然寝られなかった。 旅行の際は2段ベッドの安宿なんかで平気で寝られるから平気かと思ったけど、 それは旅行で歩き回って疲れているから寝られているのであって、一日中ベッドに居る状況では全然寝られなかった。
今回の費用
- 事前の検査最初と、入院直前の検査2回: それぞれ5000円ぐらい
- 入院時の費用: 8万円代後半
合わせて10万円に届かない程度だった。これで扁桃腺から熱を出して風邪を引かないと思えば安い投資だ。もっと早く受けていればよかった。
入院後の状態
- せっかく習慣化していた筋トレと英語の多読が止まってしまった。やっと年末に再開している
- 食べないと痩せる。筋トレしても痩せないけど入院したら痩せた
- 退院して酒を飲んだら痩せた分が戻った
- 扁桃腺を取った話をすると、子供の頃に取ったという人にけっこう会った
入院していると周りは病人ばっかりなのを見ると健康はとても大事で優先度高。どんな急ぎの仕事よりも最優先。
太っている人は気をつけたほうが良いよほんとに、入院するの辛いよ。不摂生がたたって入院している人は本当にダメ人間感があった。
扁桃腺を取って良かったかどうか
術後1ヶ月経った今のところ扁桃腺が腫れて熱を出すということは起こっていない。 季節の変わり目に忙しかったり飲み会が続いたりして、いつも風邪を引くような状況にしても風邪を引かなければ扁桃腺を取った価値があったことを証明できるのだろうか。
あえて自分を不健康な方向に持っていって風邪を引かないかどうか試してみるのは嫌だし、これで風邪を引いてしまったらこの入院生活は一体何だったのだとなってしまう。
ひとまず季節の変わり目に風邪を引かないように心配しながら生活しなくて良くなったのは大変嬉しい。 冬から春、春から夏にかけてどうなるか経過観察していきたい。
季節の変わり目に風邪をひいて調子を悪くして全快になるまで3日間として、年間12日体調が悪い状態になっていたものが、これからは年間0日になる(はず)ので費用対効果は高い。
【追記】術後半年たってどうだったか
みんなも気になるその後扁桃腺を腫らして風邪を引いたかどうかだろう。 冬から春、春から夏にかけての季節の変わり目は扁桃腺を腫らせてしまっていたが今回は乗り切った。これと言って喉に気をつけるなどしなくても扁桃腺を腫らすことがなかった。
それでも一回風を引いた
それでもやっぱり喉から風邪を引くことはあった。1度だけ喉から風邪を引いてしまった。しかしいつも痛くなる扁桃腺ではなくてもう少し奥のほうが痛くなり、「ああ、これが一般的に言う喉から風邪をひくというので痛くなるところなのだな」という感想を持った。
風邪をひくリスクはどれくらい軽減したのか
風邪の引きやすさ自体は体感的には1/10ぐらいになった。扁桃腺が腫れて辛いということがなくなっただけで普通の風邪は引く。一般人の風邪の引きやすさのレベルになっただけなんだけど、普通の人はこんなにも風邪を引かないのか感動すら覚える。感覚的にはかなりの健康体になった感じがする。
入院生活で持って来といてよかったものリスト
ノイズキャンセリングヘッドホン
相部屋で入院する場合は、人の音が気になる。普段気にしない人でもずっといるとうんざりしてくるよ。個室だとしても病院の廊下は色んな人が通るので結構うるさい。そこでノイズキャンセリングヘッドホンの登場だ
オレが使っていたのはこのBoseのQC35。細かい設定がなくて楽で良い。ワイヤレスだから寝ながらでも使えるし、最近のワイヤレスは音質も全然良い これの最新バージョンはこちら
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SonyのWH-1000XM3が2018年10月に発売されていてノイズキャンセリングの性能がバグ上がりしていたのでこっちを書い直した。
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高性能耳栓
ノイズキャンセリングヘッドホンでに加えて耳栓プラスして防御力をあげよう。 飛行機にのるときに近くに赤ちゃんが乗って泣いてても耳栓とノイズキャンセリングヘッドホンがあれば気にならないレベルになる
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