「SF映画に学ぶ人間と技術」シンポジウム で紹介されたSF映画と雑感
「SF映画で学ぶインタフェースデザイン」とSF映画に出てきた架空の装置のUIが何を伝えているのか、また実際のUIとして実装するにはどうするべきかを言うことが書いてある書籍が出版されている。この書籍を元にしたイベントが慶応大学の三田校舎で行われた
SF映画で学ぶインタフェースデザイン アイデアと想像力を鍛え上げるための141のレッスン
- 作者: Nathan Shedroff,Christopher Noessel,安藤幸央,赤羽太郎,飯塚重善,飯尾淳
- 出版社/メーカー: 丸善出版
- 発売日: 2014/07/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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イベントの詳細リンク: fine
開催の趣旨を引用
SF映画と技術のギークな本を出版した安藤さん、アカデミー賞を とるかもしれないアニメ映画の脚本を書いた櫻井さん、SF映画 よりも面白いインタラクション研究をしている暦本さんをお招きし、 アニメ漫画で夢見た腕時計電話を本当に作ってしまった小川の進行で、 SF映画の楽しみ方や人間と技術の関わりついて、過去から未来にわたり 個性あふれる視点から言いたい放題のパネルディスカッションを開催します。 SF映画好きの人はもちろん、リア充な生活を楽しみたい人、夢ある技術を 考えろと上司にせっつかれている人、ひとりで愉悦にひたりたい映画を 知りたい人など、皆さんとお目にかかるのを楽しみにしています。
これに参加したら、知らないSF映画をたくさん知れたのと、思うことがあったので忘れないようしておく
内容としては、それぞれパネラーの方々が、自己紹介と10分ほどの講演の後、聴講者からの質問から話を広げてパネルディスカッションだった。
安藤幸央さん、暦本純一さんの講演で触れられた映画について、パネルディスカッションで出てきた内容に感じた雑感を書く
安藤幸央さん
2001年宇宙の旅のタブレット端末について
アラン・ケイがダイナブックの構想を発表したのは1972年、その四年前の1968年に公開された2001年宇宙のたびににたタブレット端末が登場する
clip1: Apple iPad in the 1969 classic: 2001 A ...
ref:ダイナブック wikipedia
SpaceXのロケットのUIはSF映画のようらしく、専門のデザイナーがいる
イーロン・マスクがCEOを務める凄い開発スピードで民間の宇宙開発会社SpaceXの動画の紹介、 本イベントで出てきた動画
F9R 1000m Fin Flight | Onboard Cam and Wide ...
公演中に出てきた他の映画
Oblivion 2013年
The Zero Theorem 2013年
The Zero Theorem - Trailer | HD - YouTube
2015年5月16日から公開らしい ref: テリー・ギリアム監督の最新映画『ゼロの未来(The Zero Theorem)』の日本公開が決定
2002年 マイノリティ・リポート
Minority Report - Official® Trailer 1 [HD] - YouTube
ジョン・アンダーコフラー マイノリティ・リポートっぽいUIを作った人
それをg-speakというアプリケーションして開発している、その紹介動画
このTED Talkも面白い ジョン・アンダーコフラーが示すユーザインタフェースの未来
暦本純一さん - SF映画に学ぶ人間と技術 -
自分の研究ネタはSF映画をかなりパクってきているそうだ、それを実現しちゃってるんだからマジ尊敬ですわ
Jackin
JackInは,人間が他の人間の環境に没入し,その状況や体験を共有したり共同作業を行ったりする際のインタラクションの枠組みである.このようなインタフェースは,現場の作業を遠隔地の専門家が支援したり,現地での体験を他の利用者に伝送する,遠隔から作業者を誘導する,などの応用に適用できる
JackIn: Integrating First-Person View with Out-of-Body Vision Generation for Human-Human Augmentation (AH2014) from rkmtlab on Vimeo.
全周囲カメラをつけて、他の人が指示を出す、鍵は後ろにあるよとか
この研究は、プローブ捜査指令(1972年)からパクってきている、本作でスパイが身につけるボタン型のカメラ・マイク・通信機能を持つ機械を使って、バックアップのチームがそのスパイに情報を与えスパイの情報処理能力を拡張する。
紹介されたブローブ操作指令の動画では、現在地から正しい道へのナビゲーション、接触対象のドイツ語をバックアップが解釈するということをしていた。
この研究について暦本さんのコメント興味深かったところ
- 人と人をつないで能力を拡張する、まだ人間がバックアップを務めるが将来的にはバックアップの人はAIになるかもしれない
- JackInされた側はすべての動作を支持する側に任せると意外と悪気がしない、暦本先生自体も体験すると選択する必要がなく楽なのだそうだ。
パネルティスカッションで気になったメモ
Siriはあえて多少片言にしていると言う噂があるリアルにし過ぎると、ユーザが出来ないこと過度に期待するのを防ぐため
ドローンはバッテリーの問題があるのでフルで動くのは15分ぐらい
- 現状よく使われるリチウムイオンバッテリーだとこの程度
集中する時間の確保の話
- 華氏451度という映画の話題で、当局に本の所持が読書を禁じられた社会を部隊にした映画の話
- 図書館戦争のようなお題だが、原作的は政府の弾圧的にされたのではなく、民衆側が消費しやすいコンテンツを求め、知識を得ることを放棄している社会らしい
FBやTwitterばかり見ていて、時間を書けて本質的に学ばなければならないことを避けがち、暦本さんでもやっちゃうらしい。
Googleのデザインスプリントにについて
- Google Venturesのデザインスプリントでは、情報をシャットアウトして個人で作業をする時間を設け、また個人作業の成果を集めてチームで作業をするらしい
このように
最後はSFはあまり関係ない話だけど、普段の仕事でも情報をシャットアウトする時間を儲けよう。Twitterのタイムラインをずっと開いてるひとが結構いるが多分辞めたほうが生産的だよね。
P.S. そういえば以前所属していた会社でデザイナーの方が、ネットでホットなネタばかり話す人に「◯◯さんはネットの奴隷ですよねー」って言っていたのを思い出した。
僕らはいつの間にかネットにJackInされているのかもしれない